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《blog》信州にはどんな種類の「木」があるの?木の効用や代表的な木の種類について。
そもそも「木」にはどのような魅力があるのでしょうか。ここでは木の効用について2つご紹介します。
構造体や外装・内装に木材を使ってできる木の家。温かみのある雰囲気で見た目からして住み心地が良さそうですが、実際に木の家はオシャレなだけでなく、住む心地がよくなるような効用があります。
その効用とは、室内の湿度の調整ができることです。木材は湿気を状況に応じて吸収・放出できるので、人間にとって快適と感じる湿度に保つことができます。湿度が高すぎたり低すぎたりすることは体感でも不快に感じるし、体内への直接の影響もあるので、湿度を調節することはとても大切です。
例えば、調湿効果はダニの繁殖を防ぐことが可能です。ダニは湿度の高い環境を好み、繁殖しますが、ダニが生育する環境で暮らしているとアレルギー性鼻炎などの症状を引き起こすことがあります。調湿効果のある木材が使われた住宅であれば、こうした健康被害を最小限に抑えることができます。
森林とは、木や竹が集団的に生育している場所のこと。森林セラピーとは、心身の健康保持を目的として森林に入ることを指します。森林セラピーにはストレスホルモンの減少や体の活力が回復するなどの効果があることが、実験によって明らかにされています。少し疲れてきたなと思ったら、森林に入って疲れを癒すのがオススメです。
長野県は、県土の78%が森林で占められています。その森林の多さは、全国の中でも北海道、岩手に次いで3番目。内訳では国有林が35%、民有林が65%となっています。長野県は地域によって生息している木の種類が違っており、その中でも多く生えているのが
唐松
杉
ヒノキ
赤松
の4種類です。長野県の東部(東信地域)や中部(中信地域)では唐松や赤松が多く、木曽地域などはヒノキが有名ですね。北部の北信地域では杉が多く採れます。
今回は代表的なこの4種類の針葉樹について、木の特徴やどんなところに使われているかをご紹介します。
唐松は、杉より硬くて粘りのある材質です。樹脂分が多く、腐りづらいことから鉄道レールに敷く板である枕木や、土木工事で使われる土木杭などに多く使われてきました。独特な香りがするのも特徴です。
唐松は「旋回木」といって、ねじれながら成長する性質を持っています。またヤニが多く、暖かい時期はヤニが溶け出してねばねばと手につくことから、建築材として疎まれた時代もありました。
近年では乾燥技術の発達によって、ヤニの成分だけを除去することができるようになりました。そのため、現在では家の構造材や外装材、内装材など建築材として幅広く使われています。
土木用・ワイン畑用の支柱杭
枕木・大工の足場板
内装材(壁板・フローリング板)
外壁材
構造材(土台・柱・梁・桁など)
杉は全国でもっとも植林されている日本で一番有名な木です。まっすぐ育つので癖がなく、加工しやすいのが大きな特徴です。また、空気を多く含んでいることから軽く、触れると温かみも感じられます。杉は、木の中心部分である心材と木の外側部分である辺材の色がはっきりと違います。心材は赤みを帯びていて、辺材は白色です。香りはさわやかです。
おそらく、杉と聞いてみなさんが真っ先に思い浮かべるのは花粉症のことではないでしょうか。杉花粉は花粉症の原因にもなっており、花粉症がひどい方にとっては憎き相手かもしれません。ですが、みなさんが住んでいる家や公共施設などにも多く使われていますので、その辺りは大目に見てもらえると嬉しいです。
構造材(柱・梁など)
内装材(壁板・フローリング板)
造作材(建具・家具など)
木工製品(おもちゃや小物など)
ヒノキは他の針葉樹に比べて成長が遅い木です。杉が植林から収穫までの期間が約40年なのに対して、ヒノキは50〜60年ほどかかります。香りは強く、油分が多いため腐食しにくく檜風呂や家の土台に使われることが多いです。
ヒノキの最大の特徴は、美しいツヤときめ細かい木目です。特に人の手に触れることの多い部分はツヤが増し、独特の色合いへと変わっていきます。また、本来ヒノキは柔らかい材質ですが、経年が進めば進むほど硬く変化していきます。建築材として使用されたヒノキは、100年すると鉄のような材質に変化すると言われるほどです。
構造材(土台・柱・梁・桁など)
内装材(壁板・フローリング板・框)
外壁材
造作材(建具・家具など)
和室(鴨居・敷居)
風呂釜・桶・まな板など
赤松
特徴
赤松は寒冷で痩せた土地でも育ちやすいタフな木です。あの高級食材「松茸」も赤松の周りに生えます。大きな特徴としては、国産針葉樹でNo.1の強度を誇り、その粘り強さから家の重さを支える梁(はり)や桁(けた)といった横架材として活用されてきました。ですが近年では製材品向けの生産は減少しています。
赤松は経年変化によって赤みやツヤが増していきます。そのため、内装材や和室に使われることも多いです。
森を眺めていると、赤みを帯びた樹皮が特徴的な木を見かけますが、これが赤松です。
長野県内ではよく見かける木ですので、興味のある方は探してみてください。
使用用途
構造材(梁・桁など)
内装材(壁板・フローリング板)
造作材(建具・家具など)
和室(鴨居・敷居)
木にはストレスを軽減させる効果や住環境を快適にする効果などがあります。森で自生する木や住宅に使われる木材など、木はさまざまな場所で触れることができます。
今回の記事で木に興味を持たれた方は、ぜひ一度長野県を訪れてみてはいかがでしょうか。森林セラピーがてら、今回ご紹介した4種類の木を探してみるのも良いかもしれません。
また、学校や市役所などの公共施設、家の内装材などにも今回ご紹介した木が多く使われています。そうした公共施設や木材を使った建物を訪れた際に、どんな種類の木使われているのか調べてみるのも良いかもしれませんね。